怠慢とコーマン
怠慢とコーマン(1979作)

 

※怠慢とコーマン※

 


序章
「はじめに」

はじめに、この物語は3人の男と1人の女の話です。
舞台は中世ヨーロッパ風な世界にある大きな屋敷です。
この地方では、 パシャトゥリネンマクの農耕が盛んで、
農民達にとってパシャトゥリネンマクの生産こそが生活の全てであり、
古くからパシャトゥリネンマクと共存していくことがここに住む民のならわしでした。。
昔、パシャトゥリネンマクは呪術にも使われる非常に危険なもので人々に忌み嫌われていましたが、
村人達が懸命に育て、数を増やしていったことにより、
パシャトゥリネンマクのイメージは時代とともに変わっていきました。
今では呪術に使われることもなくなり、お誕生会などで振り回したりなどして親しまれてきました。
人々はパシャトゥリネンマクと共に生きているのです。
してパシャトゥリネンマクって何?

 

※怠慢とコーマン※

 


第1章
「黄色いカラーコーンのおじさん」



ずっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーと。
まいにーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーち。
ぜんらーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーで。
鉄格子のようなおおきな草木を跨いで、
これまた大きな屋敷を、
おじさんはいつも仁王立ちで眺めているのです。
唯一の着衣は、頭に被った黄色いカラーコーンで、
いつになく険しい顔で屋敷をずっと見つめています。
2分に1回小刻みに震えているのがわかります。
おじさんはどうみても中年のおじさんのようでした。
しかも全裸なのに、引き締まってないだらしのない肉体です。
しかし黄色いカラーコーンのおじさんの顔はいつもキリリとしていて、抜け目なく男前でした。

この屋敷は古くに建てられて、
ある名門貴族だか、富豪だかが買取り、別荘として使用しているらしいのです。
らしいというのは、その貴族はおそらく誰も見たことがないからで、
普段は屋敷の管理を任されている紳士とメイドを見るくらいで静かなものです。
屋敷自体は貴族が建てたわけではなく、遠い昔、別の貴族か何かが住んでいたようで、
いたるところでその名残りが昔のまま残っていて、気味が悪いような気もするのです。
しかし、管理は厳しいのか、清掃などは隅々まで行き届いており、チリひとつもないくらい清潔です。
そのギャップがこの静かな屋敷をより、人外の雰囲気にさせているのかもしれません。

ところかわって、
黄色いカラーコーンのおじさんが、
この屋敷を見つめる(?)ようになったのは、
かれこれ10年…いや20年…。
もっと長い年月かもしれません。
雨の日も雪の日も1日もかかさず、
というよりはいつも立っています。
いつしか、誰も奇妙とは感じなくなっていました。
一体、男がどこのなにもので、何の目的でそこにいるのか…。
こんな不可思議なことが奇妙ともおもえなくなっていたのです。
そして黄色いカラーコーンのおじさんは時より何かブツブツと呟いているようでした。
この屋敷とおじさんのいる場所の間には庭園があり、
ブツブツの声など聞こえるはずがないのですが、音波というか念波というか、
どこからともなく聞こえてくるのです。
しかしそれは奇妙なことに不快ではないのです。
むしろ気にならないくらいの心地よさがあり、不思議と馴染んでしまっているのです。

屋敷には管理人と思われる老紳士と何人かのメイド達がいるようで、
屋敷に寝泊りし、常に屋敷を守っているようでした。
老紳士はシルクハットを被りいつもにこやかにしており、
丁寧に庭園の草木などの手入れを毎日しています。
白髪に小さなメガネ、ステッキも持っており、健康そうだが老いは隠せないようで、
メイド達はいつも気にかけているようでした。
しかし老紳士はにこやかで一生懸命仕事をしていました。
メイド達もさまざまで、少女のような娘から気の強そうな娘までいました。
大概は、日替わりでメイドが変わっているようでしたがよくわかりませんでした。
ただわかりうことは仕事中は律儀にメイド服を着こなしていたということだけです。

紳士らにも黄色いカラーコーンのおじさんは見えているはずです、
いつもいるということはわかっているはずなのですが、
知る限り、黄色いカラーコーンのおじさんの話をしているところは一度も聞いたことがありません。
そもそもなんらかのタブーなのでしょうか?
彼も屋敷に雇われたひとりなのでしょうか?
しかしそれは間違いのようで、そういうわけではないようなのです。
黄色いカラーコーンのおじさんが何者なのかとうことは紳士やメイド達からは知る由もなかったわけです。

いつもと変わらない日々。
しかし、雨が降る日だけはいつもと違うように感じるのです。
窓は締め切りですが、雨音ははっきりと聞こえてきます。
雨の日に限っては屋敷は静まり返り、
雨の音しか聞こえてこない世界のようでした。
雨が降っても黄色いカラーコーンのおじさんは仁王立ちで眺めています。
葉っぱで作った傘で雨露をしのぎながら、しかし確実にその眼は屋敷を眺めていました 。
雨の日はいつになく静かで、雨音にも負けず、
庭園に茂る木々の揺れる音さえ聞こえてきそうな静寂でした。
暗く不気味な月が薄暗い雲に覆いかぶさると、
どこからともなく泣き声が聞こえてきました。
この泣き声はまるでケモノのような泣き声で、激しく、時より消えるように聞こえてきました。
人の気配はなく、ただ、紳士は窓辺にもたれかかりながら、
雨に打たれる庭園を静かに、ただ静かに眺めているようでした。
静寂の中、泣き声は絶えず聞こえてきました。
そして、黄色いカラーコーンのおじさんも同様に、
ただ静かに、じっと屋敷を眺めているようでした。
「私」は、というとこの強い雨に身を任せて、
じっと濡れて、ひたすらに潤いを感じているだけでしかなかったのです。

ナイーヴな空は意外にも青く、「私」は渇きを取り戻していました。
とくに雨の日の後のよく晴れた日は庭園に茂る木々が美しく輝いて見えます。
サンサンと太陽の光を浴びて、少し生乾きの中、ウトウトと心地よさを感じています。
このままポカポカした暖かさの中で平穏な暮らしをしていきたいのです。
いつもの景色、いつもの人々、いつもの温度で新陳代謝を繰り返して。
紳士は丁寧に庭園の手入れを施しておりました。
その顔は優しく、メガネ越しですが眼が完全に閉じていました。
遠くを眺めると黄色いカラーコーンのおじさんはいつもどおりの仁王立ち。
せわしなく働くメイドのパタパタという音。
変わりののない日常と暖かさの中で「私」は静かに眠りにつくのでした。

あの少女に、出会うまでは…。

 

※怠慢とコーマン※

 


第二章
「肢体」

 

いく年と超えたのか…。
暖かさの中で「私」は「私」という感覚を無くしていたのか…。
いや、「私」という存在はいま、
たしかにここに在ります。
壊れかけた人工的な蛍光灯がひたすらに眩しかったのです。
しかし、「私」の戸惑いは、
いまこの至近距離にいる全裸の少女でした。
蛍光灯はチラチラと消えかけの明かりを照らしているはずにもかかわらず、
眩しい。
そしてとめどなく流れる雨とは違う液体、泡。
ここは一体どこかなのか…。
その疑問よりもただ眩しさに狼狽し、
声を出すことも叶わなかったのです。
そもそも「私」という存在は声を出すことをしていたのか?
「私」はいま、全裸の少女と泡だらけ、
少女の顔を必死にとらえようと試みてみましたが、
彼女の未発達な肢体が、
「私」の体と密着し、
泡にまみれ、
こすれ、
こすれ、
「私」は鼻血にまみれ、
まみれた液体は混ざり、
どこかへ吸い込まれていくようでした。
尚も少女は、
「私」との密着をやめようとはせず、
激しく密着させ、
こすり、
こすり、
全てをこすりおとすようにお互いに絡みつき、
雨にも似た液体と、
ひとつとなり、
全て吸い込まれていくようだったのです。
「私」はというと、
吸い込まれていく液体を眺めるのではなく、
少女の肢体をねめまわし、
肌、体の部位の感触を、
じっくりと確かめていたのでした。
しなやかでいて、
なまめかしくもあり、
しかし未発達の少女の肢体。
「私」はひたすらに鼻血がとまりませんでした。
足の指から、踵、脹脛、、膝、太腿、尻、恥骨、臍、胸、乳房、鎖骨、肩、脇、上膊、手の指先。
部位のひとつひとつを丹念に、
絡ませては流し、
絡ませては流しを、
彼女は繰り返していました。
まさに、興奮度120パーセント!
「私」は泡にまみれ、また、意識を失いかけてました。
薄れる意識の只中で、
少女は絡むのを止めて、
「私」を大きな眼じっとみつめ、呟きました。
「汚れ、おちないわ…。」
その瞬間に、
「私」の眼光は完全に見開き、
叫びという爆音は形となり、
体中に染み込んだ液体は、
少女の渾身の力で搾り取られ、
ブラックホールに吸い込まれるのでした。
ギィェエェエエエエェエエェエ!!!
「私」は精一杯の雄叫びとともにむなしくも意識は閉じていきました…。

ただ、
薄れる意識の中で、
「私」が少女にもがれた事を思い出してしまいました。
太陽の光をいっぱいに浴びた、「私」をもぐ、彼女の姿を。
紅潮し微笑み、撫で回し、思い切りもぐ、その姿を。
「私」と庭園の木々をつなぐ生命線をぶちきり、
「私」が馴染んだ美しい景色を残して、
「私」は彼女のヘチマとなったのでした。

 

※怠慢とコーマン※

 


第三章
「ヌメッと私」

 

景色を奪われた私と、少女との共同生活はとても奇妙でした。
彼女が私を使うのは決まって雨の日で、
それ以外では私との関係を断絶するようでした。
いつも景色は私の眼下にはなく、
隣には泡を生み出す石と奇妙な液体の出るチューブなどがいて、
彼らは微動だにせず、使われるときをただ待っていました。
私といえば、黄色いカラーコーンのおじさんのが気にかかっていましたが、
もはや見ることは叶わず、
私は、じっとこの地面に液体の流れる穴がある狭い部屋で、
人工的なヒモのようなものに、ただ、ぶらさがっていました。

ひとつ分かったことといえば、
この部屋に掃除にくるメイドは決まって、あの少女だということです。
部屋を掃除にくる彼女は真剣で、
少女のような顔もすれば、時折、大人のような表情をみせます。
私はぶら下がりながら、その少女の顔を、凝視するチャンスを伺っています。
彼女がチラリとこちらを見て、少し笑ったようにみえた、
ただそれだけのことで私は興奮度120パーセントに達していました。
いつしか、私の楽しみは、そのささやかな1コマと、雨の日のまぐわいだけになっていました。

夜になると、
この部屋は完全に暗くなります。
暗闇の中で私がすることはただひとつ、
少女の肢体を想像することです。
私の体はみるみる内に血に染まっていくのです。
暗闇に滴り落ちる赤い血。
部屋中を血に染めるのです。
鼻血という鮮血を…。
さすれば朝、乾いた血を彼女が洗い落としてくれるでしょう。

雨の潤いを奪われた私は、
雨の日のまぐわいを心待ちにしていました。

しかし、彼女の怠慢に対する嫉妬を感じられずににはいられません。
彼女は、雨の日以外は、私を使おうとしないのです。
存分に奇妙な液体の出るチューブなどを使っています。
私は存在をお座なりにされ、全身を赤く染めながらひどく高揚していました。
少女の眼。
時折見せるその冷めた眼。
私の視線を無きものにするその眼。
私は、雨にも似た液体を浴びる彼女の輝きのない眼に、
イってしまったのです。
全身を赤く染め上げて、いつしか私は、完全に気絶していたのでした。

いつしか、
オボロゲな意識の中で、
私は、ヨダレのような感覚に苛まれていました。
それは不快、というよりかは、むしろ体中が粘膜になったようなものでした。
次の瞬間に私は、自分の目を疑いました。
少女が私を鷲掴みにし、その冷たい眼をいつにも増して紅潮させ、
ねめまわしていたのでした。
彼女は腕の腱のグリップを巧みに使い上下にねめまわしていました。
部屋には、ただ、ただ、彼女をとおりぬけていく雨に似た液体の音のみが響いています。
彼女は私を思う存分ねめまわすと、私を口に含みました。
私を一気にヨダレの感覚が襲い、
彼女は、舌を使い、さらに私をゆっくりと舐めまわしてきました。
「とろけちゃうよーー!」
私は我慢できずに絶唱しました。
しかし、この機を彼女は逃すわけがありませんでした。
彼女は立て続けに、ゆっくりと、かつ、じっくりと丹念に舐めまわします。
舌をできるだけ伸ばし、スローモーションで、私は回転しながら舐められていきます。
どうやら、彼女もひどく高揚しているようで、
透き通った白い肌は赤みを帯びきり、
生まれたてのその姿で、私を、ねめ舐めまわしまくります。
私と絡みつく、彼女の舌。
私を握り締める小さな手。
冷たい眼と紅潮する体。
全身性感帯の私。
一通り私をネブった、ノチ、
私は彼女の膣へと運ばれました。
豪雨が降り注いでいるようでしたが、
彼女の膣周辺は、ごまかしがきかないくらいヌメッとしていました。
純毛のような恥毛が私の体を撫で、
私の顔面に彼女の花弁が現れました。
彼女は小さい指を使い、豪快にグップリと、私を膣内にねじ込みます。
セルフヴァージンクラッシュ!!
雨の豪音でそう聞こえたのかは分からないが、
彼女はハッキリと、
「くっ」
と、いい、
身を震わせました。
私は、「なんとヌメッとしているんだ」、
と思いましたが、そんなことはどうでもよくなりました。
彼女の小さいハナビラは溢れていましたが、
ブチこまれてしまいました。
彼女の中はとても滑らかでよく滑りました。
「ああ、なんて気持ちがいいんだ…」
私は全てがピンク色に染まり、包まれました。
彼女は激しく私を、出し入れしているようでしたが、
私は抜け出る時の粘膜の糸ひきに体を奪われ、
突き抜けるウェット感に身を任していました。
粘膜が、粘膜が、全て粘膜のようでした。
「私は、まるで、粘膜だ」
心ではそう思っていましたが、
静寂の中でかすかに聞こえるこんなにも美しい雨の調と、
ひたすらに彼女のいやらしい吐息。
そして、全ての粘膜のヌメッ。
私自身は快楽に狂っていましたが、じきに吐きました。
吐瀉物はあっけなく、混ざりましたが、
粘膜には変わりなく、私は沈み、彼女に犯されていました。
刹那、
扉が開き、空間は解き放たれた。
膣の間から私が目視したのは、
いつも温厚な紳士の激昂した姿でした。
「何、してるだァアア!!」
私を咥えたまま、少女の体をグイと引き寄せ、
強引な力である部屋へ連れてイカレたのでした。

 

※怠慢とコーマン※

 


第四章
「神の声」

 

激しい殴打。
激昂した老紳士の瞳孔は開ききっていました。
私を咥えたまま棒などでひどく殴りつけられる少女。
粘膜に包まれた私は血の臭いひどく感じていました。
膣を流れる血、少女の傷口から溢れる血、私の鼻血etc…。
さまざまな鮮血が私と少女を通り抜けて行きました。
危うく昇天しそうな私。
しかし私は見たのです。
普段温厚な紳士が少女の、
正確にいうと肛門の部位に、
スカルファックを試みようとせんばかりの勢いであったのでした。
薄暗く灰色の硬い部屋。
少女はドッカリとぐりがえしの姿勢で緊縛され、
肛門と私がいる部位がまるみえという赤面の格好を強いられていたのでした。
少女はとくに抵抗する構えを取らず、
さも慣れているかのようにじっとしていました。
私は少女が股を開いたことにより、
圧力で外に押し出されそうになりましたが、
必死に粘膜の中をしがみついていました。
紳士はおもむろに軟膏のようなものを取り出し、
少女の尻穴に塗りたくっていきます。
こりゃあちと塗りすぎじゃあないですか?
すごい塗っています。
セメントで固めるが如く丹念に軟膏を塗っていく紳士。
そしてこの軟膏。
ヒドイ臭いです。
鼻が曲がりそうです。
あ、ああ…。
私は負けじと少女の中での活動を再開させたのです。
肛門をいじくり倒す紳士。
少女の肛門はプヒープヒーと鳴いているようでした。
音が聞こえてくるにつれ少女の肛門の周囲は、とても湿ってきたのでした。
ヌウン。私は私でうまく身動きがとれずに右往左往していました。
しかし私は一瞬、まばゆい光に包まれたのです。

粘膜はヌメッている。
彼女はまだ…濡れている…。
その時、私は優しい神の声を聞いたのです。

粘膜のヌメリに気をとられていた私はすっかり少女の吐息を見逃していたのです。
吐息は山彦となって木霊し、
少女はすさまじく甲高い声で
「イ、イクゥー!!」
と咆哮すると、
軟膏を塗りたくられた肛門から、
少女のエキスが噴出していったのです。
紳士はまさにアニリングスせんばかりに、
顔面を少女の肛門に近づけていたため、
急に出土したそのゲル状のエキスをもろに顔で受け取めたのでした。
紳士は、
「ア゛ア゛ーッ 」
と嘆き、顔を抑えてノタウチ回りました。
私はというと、
むしろ冷静で、
少女がイッた瞬間。
私の全身も同時に稲妻が走ったような感覚に襲われました。
が、粘膜のヌメリがサッとなくなり、
スッキリしたような爽やかな気分になりました。
「明日は天気…晴れるかな。」
と思ったりしてみましたが、
私はすぐに狂気することになりました。
なぜならば、
スッキリとした生まれたてのような私のカラダには、
さっきまで私を包んでいた少女の
コーマンが
凝着してしまったのですから。

 

※怠慢とコーマン※

 


第五章
「怠慢とコーマン」

 

少女は、昇天している様子ですが、
コーマンの私はヒクついていて、欲しているようでした。
「マサカ…。」
と私は生唾をゴクリと飲み干しました。
ぐったりとしている少女の目の前には、
先ほど少女のエキス(正確には脱糞)を浴びた紳士。
顔面を負傷し、ノタウチ回る紳士の姿。
真っ白いスーツに飛び散った分泌液。
その姿は生まれたばかりの赤ん坊のようにも見えたのです。
その姿を捉えた私は同時に、
少女の思念を感じました。
瞬間、少女の眼は、完全に見開き、
私というコーマンは、
彼女の膣から、ロケットの如く噴射し、
紳士の肛門目掛けて、突貫していたのでした。

紳士の肛門をえぐり、
硬く暗い部屋の壁をブチ破ると、
そこは中庭だったのです。
私がいつしか見た風景。
見事な庭。
この美しい庭園が目の前に溢れ出したのです。
しかし、まもなく、
私を咥えたまま紳士は、
中空へと放たれ、
やがて地面へと落下していったのでした…。

ドチャリ。

むなしく、
私は紳士と共に地面に叩きつけられました。
紳士は様々な液体にMAMIRE轟沈しました。
それよりも眼に飛び込んできたのは、
一面に広がる美しい庭園。
紳士のメガネはひび割れ少し離れた所に飛び散っていましたが、
驚いたことにメガネのレンズ部分に私になっていたコーマンが、
映し出されているのです。
レンズは反射してテカッているようにも思えましたが、
とても湿っているようでした。
レンズに透過されたコーマンは、
私には泣いているようにさえ見えました。

やがて雨にも似た、
静寂と潤いの世界が、ここにはありました。

いままで確実にいて、見守っていたであろう、
黄色いカラーコーンのおじさんは、
何事もなかったかのようにいままでどおりにこちらを見ていました。
いま私たちの世界は完全に一体となったのです。
そして私はブレイクしたのです。
黄色いカラーコーンの中心部に、
コーマンがあらわれたのですから…。

美しい庭園を、
私たちは当然のように眺めていたのです。
おじさんがもっとも純粋な眼で観ていたということにも気づかずに。
勇ましい姿でコーマンを蓄え、仁王立ちしていました。

しかし、コーマンは、とても湿っていました。
私には、とても、とても、満足しているような、
そんな気がしてならなかったのです。
だって、
私も庭園の一部だったのですから。

この地方では、 パシャトゥリネンマクの農耕が盛んで、
農民達にとってパシャトゥリネンマクの生産こそが生活の全てであり、
古くからパシャトゥリネンマクと共存していくことがここに住む民のならわしでした。。
昔、パシャトゥリネンマクは呪術にも使われる非常に危険なもので人々に忌み嫌われていましたが、
村人達が懸命に育て、数を増やしていったことにより、
パシャトゥリネンマクのイメージは時代とともに変わっていきました。
今では呪術に使われることもなくなり、お誕生会などで振り回したりなどして親しまれてきました。
人々はパシャトゥリネンマクと共に生きているのです。

私は、パシャトゥリネンマク。
そしてこの、美しい庭園。
<了>

 

※怠慢とコーマン※

 

 


エピローグ
「そのあとの話」

そのあとの話。

窓から落下した老紳士は一命をとりとめ、
いまでは車椅子に乗ってはいますが仕事に復帰しています。
なんだか少女と老紳士はとても仲がいいみたい。
2人は笑いながら庭園のお手入れをしています。
庭園といえば、例の部屋で少女と老紳士がしていた秘め事ごと。
少女の脱糞を採取し、肥料として使っていたみたいです。
2人はとても楽しそうに車椅子をひきながら歩いています。
向かう側には黄色いカラーコーンのおじさん。
いつもと変わらない景色。
太陽の光をいっぱい浴びて気持ちよさそうなパシャトゥリネンマク。
私もこの心地よさに身を任せて、ただいます。
なんだが…、ひどく天気がよすぎるんですけどね。

 

※怠慢とコーマン※

 


あとがき

(文・ロイ・テワール・スキャトニンズ)

著者近影
 

 いやービックリしました。本作「怠慢とコーマン」いかがだったでしょうか?
 マジおヨーピアンテスト溢れる中世の洗濯おばさんが若い頃、小料理に定評のあるスナック「ケロ美」を経て、常連客の1人だったヨーゼフと恋におち、駆け落ちするまでの過程を自室にて1人コタツに入りながら「いいちこ」でやりながら涙で幻想的に描いた作品です。
 本作を書き上げるにいたってこんなことがありました。急にそんなに仲良くもなかった同級生から電話があったんです。「大事な話があるからちょっとファミレスでもいかない?」って。おいおいちょっと待ってくれよ、とも思いましたが、あわよくば彼の奥さんとお近づきになれるかもしれない…、なんて思ったらもう胸が躍っちゃって…、さっそく虹色のベベに着替えて出かけましたよ。チャリンコで現場に向かったんですが、頭の中ではもう奥さんが振袖に着替えちゃってましたからね。モティロン、レンタルですよ。YOGOSAないように細心の注意を払わなきゃ・なんて・ね。
 ノチ、ファミレスに着いて席に行ったんですよ、そしたら3人ぐらいの漢達ですよ。4人席に私を取り囲むように。しかもドリングバーもないときた。私はそうそうに聞いたんですよ、「御三方は既婚者でいらっしゃる?」って。3人とも開口一番「独身です」だっていうんですよ。もー、私、頭きちゃいまして。速攻帰りましたよ。で、店を出るとチャリンコがないわけですよ。その日はしょぼくれたままトボトボと歩いて帰りました。あーねずみ講の資料貰っときゃなー、なんて考えてたらねずみだけに、ネ、なんて1人ツッコミにさらにディープになっちゃって…。
 こういったエピソードと学生同士のコンパから聞こえてくる口説き文句などからヒントを得て「怠慢とコーマン」執筆となりました。これまでのメルフェンチックな甘美なムードからはかけ離れつつ、しかし尚も、女性の口説き方をテーマに展開していくスタイルは「本能」といえるかもしれませんね。
(自宅カフェテラスにて) 

 

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